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アレルギー国際学会(EAACI 2025)で研究成果を発表

6月13日〜16日にスコットランド(グラスゴー)で開催されたアレルギー国際学会(EAACI 2025)で研究成果を発表してきました。

発表内容は、「重症な牛乳アレルギー児に対する少量経口免疫療法(1mLの牛乳を毎日飲むことで牛乳アレルギーを治す治療方法)の効果・安全性」に関してです。

ほかの発表からも、食物アレルギーに対する免疫療法は世界的に多くの研究がされていますが、免疫療法の開始時期や開始量、方法などは統一した見解はまだ出ていないようです。

その大きな要因のひとつとして、免疫療法はアナフィラキシー(重症なアレルギー反応)を起こすリスクを伴うことと考えます。

免疫療法を実施していなくても、食物アレルギーの患者さんは誤食によるアナフィラキシーリスクが常在するため、本人および家族に緊張とストレスを与えています。このため患児・家族の不安は強く、quality of life(QOL)の低下が報告されています(前田恵里, 鈴木亮平, 勝沼俊雄, 他: 公益財団法人明治安田こころの研究財団2019年度. 日本語版 食物アレルギーQOL尺度 児童用の開発)。

安全で有効な免疫療法の標準化の実現により、患者さん本人・家族のQOLが大きく向上することを期待します。

写真:恩師の勝沼先生と

写真:恩師の勝沼先生と

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